是枝ナイト@池袋 新文芸坐
11月28日(土)22:30~
行って参りました。池袋 新文芸坐オールナイト企画。
『空気人形』公開記念 日本映画の旗手たち(5)是枝裕和

先週のフィルメックスのシンポジウムに続けて2周連続の是枝監督祭が終わりましたw
実は東京国際映画祭のオールナイトイベント「映画人、是枝裕和の世界」はスケジュールが合わずに涙で諦めたばかりだったので、こちらはどうしても行きたかったのでした。

22:30~ トークショー
23:40~ 幻の光(1995年 監督:是枝裕和)
25:45~ ワンダフルライフ(1998年 監督:是枝裕和)
27:55~ 歩いても歩いても(2008年 監督:是枝裕和)

e0011707_2153688.jpg朝5時50分まで全3作品鑑賞のオールナイト上映会でした。
トークショーは司会をたてずに是枝監督があの独特の穏やかで朴訥な語り口で徒然なるままに進行。最後は客席から質問を募ってQ&Aになりました。で、トークショーにつづいてロビーにて希望者全員に(劇場でパンフ等のグッズ購入者)是枝監督が直々にサインをしてくださいました。ほとんどの方が列に並んだんじゃないかと思う長い列が出来ていましたが、ひとりひとりと丁寧に言葉を交わしながらサインに応じてくださいました。
私は「先日のフィルメックスのシンポジウムのお話、面白かったです^^」とお礼を一言^^是枝監督は「え?ほんと?大丈夫だった?これから(上映の)3本も楽しんで行ってください」と丁寧に答えてくださって感激w

映画は3本とも既に観ていますが、どれもスクリーンで観るのははじめてで、特に「ワンダフルライフ」をスクリーンで観られたことは嬉しかったです^^ ま、今回は映画の感想は省略してトークショーの覚書を残しておくことにします。

とか言って、実はちゃんと覚えていません(おいおい^^;)。生是枝監督は4回目なのですが、今回はとても近くて緊張していたのだと思うのです(笑)。例によってメモを取らない主義なので記憶に残ったものが全て。思い出すままに(もしかすると)時系列バラバラ&内容は大意、そのうえ記憶違いということが多々あるかもしれない(なんだそりゃw)けれど、雰囲気だけでも興味のある方はご覧ください。



★デビュー作「幻の光」に纏わる話
e0011707_21163368.jpgテレビマンユニオンに所属してドキュメンタリーの仕事をしていた頃に「1億円の予算で作りたい」といった話に会社が半分投資してくれることになったが、是枝監督も主演女優も(江角マキ子)も当時は無名の上に、あまりにも暗くて重すぎてスポンサーが見つからず、結局自分では一銭の資金も工面できないまま映画を作ってしまったとか。配給先も決まっていなかったのに、運良くシネカノン代表の李鳳宇氏がシネアミューズのこけら落しに上映してくれることになったお陰で、その結果借金をすべて返済出来たそうです(よかった、よかった)。いろいろな意味で男前な李鳳宇氏、ありがとう!

何年か前に下北沢で特集上映の時に客席で一緒に観たが、裾の広がったジーンズ姿の自分を見ているようで、なんとも気恥ずかしかったそうで、今思うと稚拙なところがいろいろ気になってしまうが、そういう部分も含めて当時の自分の思いが込められているのだから、やはり意味があるんだと思うと。

★「ワンダフルライフ」に纏わる話
e0011707_21171358.jpg「ワンダフルライフ」映画化後に「小説ワンダフルライフ」として自ら小説化した時、「父と母に捧ぐ」みたいなことを書いてしまっのたを、偶然本屋で手にとったお母様が読んで「隠れた優しさはいらないから、電話をしてきなさい(家に帰ってきなさいだったかも^^;)」と言われてしまったそうです(笑)。

この作品は「アフターライフ」というタイトルで、日本でよりもむしろ海外の方が評価が高いとか。ヨーロッパなどでは「誰も知らない」の方が受けるようだが、アメリカでは断然人気が高いのがこの作品。今でも特集上映などが組まれることもあって「ちょっと自慢ですw」ってボソッと言う時の少し照れたような何とも言えない表情に胸キュン(笑)。

ニューヨークで上映された後いち早くかなりの高額でリメイク権が買われたが、その後10年くらいになるがその間に3回監督がかわってそのたびにシナリオもオリジナルから遠ざかって来ているんだとか(笑)。一応自分もエグゼクティブプロデューサーに名を連ねているが、おそらくほとんど口出しは出来ないと思うと(笑)。ただ、クランクインしてくれないとお金が入ってこないので、早くインして欲しいと願っているそうです(笑)。

★歩いても歩いてもに纏わる話
e0011707_2117501.jpg樹木希林さん演じる母親の台詞は7割くらい監督のお母さまが話していたことを元に書かれているそうです。亡くなられたお母さまは「その人の前では決して言わないが、いないところで悪口を言う人」だったと(笑)。「そういうところが嫌だった」と言いながら、決して嫌っていたり仲が悪かったわけでもなさそうなところが微笑ましく、親と言えども客観的に観察しながら、むしろ自分の親だからこそ冷静に批判してしまうけれども、その奥にはやはり身内ならではの深い愛が感じられ、是枝監督作品のリアリティが凝縮している作品だと思います。

最初この作品は≪too domestic≫と言われたが、蓋を開けるとイタリアでもフランスでも「うちの家もそうだ」と共感を得たとか(笑)。


★客席からの質疑応答
Q : 『観て良かった映画ベスト3』は何ですか?
A : (洋画苦手なので覚えておりませんが)ケン・ローチ監督の名前が出ていました。
最近観た作品ではポン・ジュノ監督の「母なる証明」と去年観たイ・チャンドン監督の「シークレット・サンシャイン」は感銘を受け「負けないよう頑張ろうって思った」と仰っていました。
「幻の光」「歩いても歩いても」と共通するテーマは「母性」でしょうか・・・。私も「母なる証明」「シークレットサンシャイン」は共に衝撃を受けた作品だったので、是枝監督版で母をテーマにした重厚なドラマが観てみたという気がしますが、樹木希林さんでもう1本ホームドラマを撮りたいと仰っていたので、そういうテイストにはならないのかな(笑)。いずれにしてもホームドラマ楽しみにしています^^

Q : 『映画と関係無いのですが4歳の姪子に絵本をプレゼントしたいのだけど、監督のおススメの作品を教えてください』
A : 真剣に考え込んで丁寧にお答えになっていました(笑)。監督ご自身にも2歳になるお子さまがいらっしゃるとかで、具体的に作家名と書名もあげていらっしゃっていました。メモ取らないから絶対に忘れちゃうんだろうなと思った予想が見事に的中して全然覚えていません(残念)。

他にもいくつか思い出すお話はあるのですが、ダラダラまとまりなくなってきたので、このくらいで。
監督独特の素朴で穏やかで気取りのない口調と、それとは反対に時々気付かないくらいさり気無く放たれる毒(笑)。そして、学生時代は群れることが大嫌いで一人で行動していたと仰る監督に、なぜか自分ととても近い匂いを感じることが出来て勝手にシンパシーを感じてしまいました。

今はその反動で「人と一緒にいたがる」と仰る監督と違い、未だに他人との距離の置き方が分からず、劣等感のために群れていることへの不安と居心地の悪さを克服出来ずにいます。今回是枝監督を間近に拝見してお話を伺いながら『非常に信頼の出来る方』という印象を強く持ちました。今まで他人に対してそういう視点でみたことが無かったので、気づいた時にはかなり新鮮な驚きでした。愚痴をこぼすことはあっても他人に悩みを相談したことなど無い私ですが、今まで抱えてきた不安や悩みを聞いてもらえたら、どんなに心が落ち着くだろうか・・・。そんなことを思ってしまったのは、久しぶりに観た「ワンダフルライフ」の影響でしょうか。はたまた、深夜の小さな劇場の中という密室感が不思議に作用したためだったのでしょうか・・・。
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by mario5846 | 2009-11-30 22:51 | ◆その他
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