「笑い」と「暴力」と「下ネタ」
映画は基本的にコメディが一番好きです。映画を観て泣いたり感動したりするのも好きですが、なんと言っても一番大きな楽しみは「笑う」ことなのです、私の場合は。付け加えるとしたら決して「恐怖」は要求していませんから(笑)

でもこの「笑い」という奴は、実はそう単純なものではないのがやっかいなところだったりします。そもそも「泣き」や「感動」のツボが人それぞれ違うように「笑い」も当然違うわけで、自分のストライクゾーンに入らないと笑えないどころか、かなり引いてしまうわけでして・・・。所謂『シュールな笑い』という奴は一歩間違えるとかなり危険なジャンルです。笑えないどころか、その笑いを理解出来ない自分をなんとなく卑下してしまうような理不尽さが癪に障ったりしませんか(笑)

e0011707_11483438.jpg例によって前置きが長くなりましたが、北野武監督作「監督・ばんざい!」舞台挨拶つき初日鑑賞して参りました(※本編の前にカンヌ映画祭ワールドプレミア上映された世界を代表する35人の監督たちによる短編集『To Each HisOwn Cinema』の中の北野作品「素晴らしき休日」(3分)が同時上映)


得意のギャング映画を封印すると宣言してしまったキタノ・タケシ監督が、今までとは全然違った作風の映画を撮るべく・・・小津風人情劇「定年」、ラブストーリー「追憶の扉」、昭和30年代風物語「コールタールの力道山」、ホラー映画「能楽堂」、時代劇「蒼い鴉 忍 PART2」、SFスペクタル「約束の日」・・・次々と挑戦していく過程を、伊武雅刀の飄々としたナレーションで語っていく斬新な手法で描く作品です。

どれもこれも途中で自虐ネタで頓挫してしまうわけですが、ひとつひとつのエピソードは過去の名監督へのオマージュだったり、既存の映画製作への批判や皮肉だったりパロディがこめられていて肩の力を抜いて楽しめるのですが、後半になって「ビートたけしの笑い」が炸裂し出すと凡人の私は置いてきぼりをくらうまいと必死でしがみついているという状態でした^^;ただ、これだけハチャメチャなギャグを盛り込みながら、最後まで1本の映画として破綻をきたすことなく終わりにもっていくのは並大抵の才能じゃないことの証明ではあるのでしょう。が、面白かったかというとビミョーです(笑)

e0011707_12314521.jpg北野監督のシュール且つベタでひっぱり過ぎのギャグに馴染めず、笑い過ぎてお腹が痛くなることもなく、かと言ってつまらないわけでもなく・・・ちょっと消化不良のすっきりしない感じが残る結果となりました。同じような系統でも「みんな~やってるか!」はあまりにバカバカしいことの連続で、初期衝撃がおさまる頃には妙に気持ちよくなってきたりしたもんですが(実は全く同じことを後ろのカップル♂が♀に語っていました・笑)

前作「TAKESHIS’」で役者を、そして本作「監督・ばんざい!」で監督自身を自己批判し、次作で映画そのものを考え直すような作品をつくって、「北野武リセット3部作」が完結するそうです。
北野監督の既存のイメージが一人歩きし大きくなり過ぎたことへの抵抗だそうで、「巨匠なんて、特にヨーロッパなどで妙なありがたがられても困っちゃう」と、カンヌでは世界の巨匠に混じって1人敢然とちょんまげのズラ姿でレッドカーペットに登場するほどシャイでクールで自己批判の強いところは大いに尊敬に値する方だと思います。

ということで、まりお的見どころは・・・
前半1:冒頭初っ端、北野監督とアニキが「BROTHER」風に登場するところ(まじで痺れます♥)
前半2:「追憶の扉」で内田有紀を待ち伏せしているクールなヤクザの北野監督(超高級車の「エンツォ・フェラーリ」に寄りかかるサングラス姿の渋い監督がカッコいい!)
後半1:「蒼い鴉 忍 PART2」のワイヤーアクションシーン
後半2:蝶野正洋&天山広吉コンビのラーメン屋のバイオレンスシーン(決してプロレス好きなわけではないのですが^^;)

※なぜか列挙してみると、ギャングでバイオレンスな部分になっていることに気づく^^;


お待ちかねの舞台挨拶は・・・
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入場時に全員にプレゼントされた「ちょんまげのズラ」を半強制的に被って監督をお迎えいたしました。カメラマンも凄い数でしたが、当然全員被らさていました(笑)

登壇ゲストは北野監督、内田有紀、松坂慶子、江守徹、岸本加世子、鈴木杏、寺島進の総勢7人。ズラ姿の観客とゲストと一緒に記念撮影がありました(笑)

それにしても北野作品、さすがに男性観客が多いですねぇ。私のいた列は私の他は女性1名。後はずら~~っと男性ばかりでしたし^^;最後にゲストが舞台から降りて出口に向かわれる後姿に同じ列の男性が「寺島さん、かっこいい~!!」と声をかけておりましたが、たしかに男でも声をかけたくなるくらいアニキかっこよかったです^^




会場で会った寺島ファンの知り合いが「LOVE DEATH」の招待券を2枚持っていてこれから観に行くというのでちゃっかり便乗して渋谷へ移動^^

この作品もハチャメチャで、ある意味シュールなコメディのジャンルだと思って覚悟はしていました。おまけに本編158分もあるんですよ。オリジナル(ゆうばりファンタで上映されたとき)は3時間あったそうですが^^;予告トレイラーからもシュールで危険な匂いが漂ってきていましたが・・・。

e0011707_1229118.jpg正直言うと、監督の自己満足的な作品じゃないかという先入観があったのですが、これは予想外にかなり面白かったです。魔性の女に人生を狂わされていく男たちの熱い戦いをパワー全開で駆け抜けていく、シュールでナンセンスな笑いがいっぱいです。エロいし、グロいし次から次に人が意味もなく撃ち殺されて行くのに、そこには血と暴力と下ネタばかりなのに・・・なぜか後味の悪さがなく、むしろ爽快にすら感じちゃうから不思議です。もしかすると、韓国映画で鍛えられていたのかもしれませんがw
PG-12指定がついていて「12歳未満の方にはなるべく保護者が同伴してください」という但し書きがあるのですが、ちょっと規制がゆるくないですか(笑)

なんと言っても2時間ドラマの帝王♥船越英一郎のイメージをぶち壊そうという気迫漲る怪演。「監督・ばんざい!」の江守徹にも同じ種類の鬼気迫る意気込みが感じられましたが、船越英一郎の役はきっと江守さんもやりたかったに違いない(笑)そして我らが寺島進の「超極道」の極悪刑事(これ大好きなんですが!)を彷彿させるヒトデナシの最悪な刑事の魅力が炸裂。ニヒルな山路哲夫管理官(「アンフェ」)や、人情コワモテ刑事の木下丈一郎(「交渉人 真下正義」)なんかより数倍かっこいい!その他大友康平、六平直政、深浦加奈子、大森南朋、津田寛治などなど、役の大小関係なくここぞとばかりに全員が楽しんで演じているのがビンビン伝わってきて文句なく気持ちイイ!!気がつけば158分、あっという間にエンディングでした。最近気分が晴れないなとお悩みの方には、かなりおススメな1本です^^

e0011707_2117495.jpg「監督・ばんざい!」でモヤッとしていた気分がすっかり晴れてウキウキした足取りで劇場の外に出ると・・・そこは「大日本人」の上映を待つ人垣で大混雑していました。危うし!「監督・ばんざい!」・・・と反射的に対抗心を燃やし、おもむろにズラを取り出して「監督・ばんざい!」をヨロシク~!!と宣伝をしておきました(空想の中で)
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by mario5846 | 2007-06-03 14:00 | ◆アニキ♥/寺島進
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