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冷静と情熱のあいだ
冷静と情熱のあいだ_e0011707_1338481.jpg来年1月~3月放送のTBS50周年特別企画の連続ドラマ「輪舞曲(ロンド)」(仮題)に韓国からはチェ・ジウ、日本からは竹野内豊の出演で連ドラがはじまるようだ。ところで、チェ・ジウの竹野内豊に対するコメント「映画『冷静と情熱のあいだ』を拝見した時から素敵な方だと思っていました。共演することになり光栄です」を読んで久しぶりにあの作品のことを思い出した。

私は原作のファンだ。2人の作家(江國香織と辻仁成)による1つの恋愛物語を女性主人公の視点で描く「Rosso」と、男性主人公の視点から描く「Blu」という2冊の本で構成するという画期的な小説。特に江國の「Rosso」を読んでいるときに感じる羊水に浸っているような心地よさと切なさはある種の至福をもたらしてくれる。当然、映画への期待も高まり楽しみにして行ったのだが…。はじまって10分もしないうちに席を立ち上がりたい衝動を覚えた。そしてその思いはエンドロールまで引きずった。

学生時代にお互いの誤解から別れてしまった主人公(竹野内豊とケリー・チャン)が、今はそれぞれに恋人もあり幸せに暮らしている。ところが、ある時から互いを忘れられないままでいることに気づき、切ないまでに会いたい気持ちを抱えるようになる。そしてまだ幸せだった頃にした「10年後にフィレンツェのドゥモで会おう」という何気なく交わした約束を一縷の希望にして、遂に再会を果たすという話なのに…冒頭で一度会ってしまうのだ!(驚)それも唐突にしかも会う理由がまったく理解できないまま。この先をどうやって観ていいのかパニックになる(笑)
原作に忠実な話がいいと言っているわけでは決してない。それならば、違う話として展開してくれればいいものを、その後は忠実に原作を再現するものだから始末に悪い。あの余分でまったく無意味な1シーンのお陰で全てがだいなしになった。私の人生で「ワースト1」の映画を選ぶとすればこの作品なのは間違いない。エンヤの美しいメロディと竹野内豊のかっこよさだけを堪能した。原作に思い入れが強い場合は映画は観ない方がいいとう典型なのかもしれない(笑)

なんてことを思い出してしまったが、日韓合作ドラマはどうか成功しますように。

追記
日本小説にはまる韓国人が急増」(by中央日報)なかなか興味深く読んだ。村上春樹と江國香織は凄い人気があるらしい。「冷静と情熱のあいだ」を読んだ韓国の人たちが映画をどう観たかにちょっと興味が湧く。
by mario5846 | 2005-07-05 13:59 | ◆映画
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